まさに良品廉価なコンパクトSUV、ダイハツ「ロッキー」、トヨタ「ライズ」に試乗 |Daihatsu / Toyota
CAR / IMPRESSION
2019年11月29日

まさに良品廉価なコンパクトSUV、ダイハツ「ロッキー」、トヨタ「ライズ」に試乗 |Daihatsu / Toyota

Daihatsu Rocky|ダイハツ ロッキー

Toyota Raize|トヨタ ライズ

まさに良品廉価なコンパクトSUV、ダイハツ・ロッキー、トヨタ・ライズ試乗

11月5日にデビューしたばかりのコンパクトSUV「ダイハツ・ロッキー」と、そのOEM版「トヨタ・ライズ」。兄弟車であるこの2台は、ダイハツの新世代のクルマづくりである「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」プラットフォームを採用していて、良品廉価、最小単位を極める、先進技術をみんなのものに、という3つを開発目標にしたという。小型のSUVスタイルとしたのは、今、登録台数が伸びている唯一の車種であるという点。千葉県内で開催された試乗会に参加して、その出来栄えを確かめた。

Text & Photographs by HARA Akira

日本の道路にジャストフィット

最初に乗ったのは、ダイハツ・ロッキーの「X」グレード2WDモデル。外装色は、ダイハツの往年の名車であった「コンパーノ」の名を冠した「コンパーノレッド」で、ロッキーのイチ推しカラーでもある。ボディサイズは全長3,995×全幅1,695×全高1,620mmと、見るからにコンパクト。
ブラックの樹脂モール付きフェンダーや大径タイヤがSUVモデルであることを主張するものの、威圧感や土臭さからは程遠く、誰もがなじみやすいデザインを採用している。
運転席に乗り込むと、665mmというちょっとだけ高いヒップポイントと、上下31度というワイドな視界による見切りの良さが気持ちいい。スクエアなボディ形状なので、後席のレッグルームや頭上空間も十分。369リッターという荷物スペースには、デッキボードを外すことで現れる80リッターの深いアンダーラゲージがプラスされ、背の高い荷物にも対応することができる。
パワートレインは、最高出力72kW(98PS)/6,000rpm、最大トルク140Nm/2,400rpm〜4,000rpmを発生する1.0リッターの直列3気筒ターボエンジンと、ロックアップ機構付きCVTの組み合わせ。
1トンを切る970kgという軽量な車体のため、アクセルペダルを軽く踏むだけでボディはぐいぐいと加速してくれる。フル加速時にはさすがにエンジン音は高まるが、巡航中は回転数が低く保たれてとても静かだし、16インチタイヤの乗り心地もいい。
4.9メートルという最小回転半径は、狭い日本の道路にもぴったりで、どんなドライバーでも安心してドライブが楽しめそうだ。

ミニRAX4ともいえるデザインがライズの特徴

もう1台のトヨタ・ライズは、ロッキーよりもワンランク上の「G」グレードで、タイヤが一回り大きな17インチとなるほか、ボディカラーがターコイズブルーとブラックルーフのツートーン仕様になっていた。
ロッキーとの大きな違いは、台形のグリルをもったその顔つき。まさにミニRAV-4といってよく、ひと目でトヨタ車とわかるデザインだ。それ以外の部分、つまりインテリアのデザインや素材、パワートレインについてはロッキーと同じといっていい。
大径の17インチタイヤによる走りはスポーティな方向にきちんと振ってあり、キビキビとした動きを見せてくれる。その対価として発生しがちな乗り心地の悪化は、後席に座っても全く感じられず、上手にチューニングされていることが分かる。
ステアリングのスイッチで作動するアダプティブクルーズコントロールを試してみると、こちらは全車速で追従してくれる本格的なタイプ。完全停止する時は「フットブレーキを使用してください」と警告してくれ、ドライバーが主たる操作役であることを知らせてくれるのもいい。
唯一気になったのは、搭載するディスプレイオーディオが、スマートフォン連携タイプという点。操作に慣れれば使い勝手が良いのだが、お年寄りなどスマホ利用が少ないユーザーには難敵になってしまう懸念があるからだ。
2台とも車高が高い割にはロールが少なく、良好な乗り心地を持っている理由を聞いてみると、前後サスペンションの取り付け位置と、それをつなぐ骨格配置をなるべくスムーズでシンプルな形状にした点にあるという。
そのベースとなるのは、同社の軽自動車「タント」の開発での成果にあり、ロッキーのものはサイズは異なるもののほぼ相似形になっているという。言葉が適切かどうかわからないが、「小は大を兼ねる」というダイハツらしいアイデアで仕上げられたものだ。180万円前後から始まる車両価格も相まって、まさに良品廉価なクルマである。
問い合わせ先

ダイハツ工業お客様コールセンター
Tel.0800-500-0182
https://www.daihatsu.co.jp/

TOYOTAお客様相談センター
Tel.0800-700-7700(9:00-18:00)
https://toyota.jp

Photo Gallery