ボルボの未来を予告するスポーツクロスオーバー|Volvo
CAR / MOTOR SHOW
2014年11月11日

ボルボの未来を予告するスポーツクロスオーバー|Volvo


Volvo Concept XC Coupe|ボルボ コンセプト XC クーペ


ボルボの未来を予告するスポーツクロスオーバー



2013年のフランクフルト モーターショー東京モーターショーで公開された、コンセプトカー「ボルボ クーペ コンセプト」につづく、ボルボのあたらしいプラットフォーム「スケーラブル プロダクト アーキテクチャー(SPA)」をもちいたクロスオーバー「ボルボ コンセプト XC クーペ」が、まもなくはじまるデトロイトモーターショーで公開される。





Text by SAKURAI Kenichi









正体は次期XC90のデザインプレビュー



1月13日にプレスプレビューがスタートする2014年のはじまりを告げる国際的なモーターショー、NAIAS(北米国際自動車ショー)=通称デトロイト モーターショーで、ボルボはあたらしいプラットフォームである「スケーラブル プロダクト アーキテクチャー(SPA)」をもちいた「コンセプト XC クーペ」を公開する。


ボルボはこのあたらしいプラットフォームの可能性、デザインの自由度をしめすために3台のデザインコンセプトカーを製作しており、今回のモデルは、フランクフルト モーターショーや東京モーターショーで公開された、コンセプトカー「クーペ コンセプト」につづく、第2弾にあたる。


このコンセプトカーは、「XC」のネーミングからもわかるように、クロスオーバーやSUVのデザインスタディだ。現状のボルボ「コンセプト XC クーペ」は、ショー用のフォルムに包まれているが、その下には市販車の次期「XC90」のデザインが隠されているとみてとれる。





クーペライクなクロスオーバーとしてフルモデルチェンジを控えている「XC90」は、ボルボ コンセプト XC クーペをより現実的なフォルムにドレスダウンしたものと想像できるが、特徴的なヘッドライトに挟まれた“フローティンググリル”やヘッドライトの意匠、ユニークな形状のリアコンビネーションライト、そしてリアファンダーが張り出し、車両後端にゆくに従っておおきく絞り込まれたリアサイドウィンドウなどの面構成は、そのまま市販車に投影されるとかんがえてよいだろう。


基本デザインは、さきに登場したボルボ「クーペ コンセプト」との関連を強く意識させる。


Volvo Concept XC Coupe|ボルボ コンセプト XC クーペ 18





しかし、よりおおきな21インチホイールや、強調されたホイールアーチ、背の高いルーフラインなどすべてが、道を選ばない走破性をもつクロスオーバーモデルならではのスポーティでタフな印象をあたえてくれるのも事実だ。









Volvo Concept XC Coupe|ボルボ コンセプト XC クーペ


ボルボの未来を予告するスポーツクロスオーバー (2)








デザインのインスピレーションはスポーツブランド



デザインを統括するトーマス・インゲンラート デザイン担当副社長は、ボルボ コンセプト XC クーペのインスピレーションの源を、エクストリームスポーツ用プロテクターやゴーグル、ウェアを展開するスウェーデンのハイテクスポーツブランド、「POC」に見いだした、とコメントしている。


「ワンポイントとなるオレンジ色のアンダーガード(マットゴム成形品)の大胆な使用が、グラフィックスの面でポイントとなり機能性とタフな印象をもたらします。また、うつくしさと機能性のあいだで適切なバランスをとるために、デザインチームはサイドモールディングとスキッドプレートをより現代的に解釈し直し、伝統的なSUVとの要素の融合もはかりました」




Volvo Concept XC Coupe|ボルボ コンセプト XC クーペ 40


Volvo Concept XC Coupe|ボルボ コンセプト XC クーペ 12





洗練されたデザインの秘密は、まだまだある。T字型を横に配置したDRL(Daytime Running Lamps=昼間点灯ライト)デザインは、今後のボルボの顔を印象づける物だとかんがえられるし、おなじように、リアスタイルの輪郭に沿ってデザインされたリアコンビネーションライトも、グッドアイデアだ。たとえモデルがかわっても、それぞれのボディの輪郭に合わせたデザインのリアコンビネーションライトを埋め込むだけで、誰にでもすぐにボルボだと理解させることができるはずだ。


2014年に発表が見込まれている、新型XC90からプロダクションモデルに導入されるボルボのあたらしいデザイン言語は、モダンプレミアムカーデザインをリードする存在になるかもしれない。そう思うのは、早計だろうか。