ムラカミカイエがフィアット 500と繰り広げる東京クルーズ|FIAT
CAR / FEATURES
2020年11月6日

ムラカミカイエがフィアット 500と繰り広げる東京クルーズ|FIAT

Presented by FIAT

Fiat 500|フィアット チンクエチェント

フィアット 500はクルマでありながらアイコンでもある

キュートなスタイリングやワクワクする走りなど、イタリア車ならではの個性で世界中のファンを魅了してきたコンパクトカー、フィアット 500。かねてより同車に興味を抱いていたというデザイナーのムラカミカイエさんが、今回、そのステアリングを握り、東京のお気に入りスポットを巡った。研ぎ澄まされた感性で時代を切り拓くクリエイターに、“イタリアの小さな名車”はどう映ったのか。

Text by TAKI Masashi|Photographs by MAEDA Akira|Edit by YAMAGUCHI Koichi

クルマ自体がポジティブで明るい

朝の東京・日本橋兜町。日本一の証券街の中心、東京証券取引所の裏通りにパソドブレ レッドをまとった「フィアット 500 ツインエア ラウンジ」がやって来た。取引開始前の静かな兜町に、その鮮やかなボディカラーと丸みをおびたキュートなフォルムが一際映える。
やがてクルマはハイエンドなブティックホテル「HOTEL K5」を擁する複合施設「K5」の前に。ドライバーズシートから降り立ったのはデザイナーで、クリエイティブエージェンシー、SIMONE(シモーネ)のCEOでもあるムラカミカイエさん。エントランスで彼を出迎えたのは、「K5」1階のレストラン「CAVEMAN」オーナーシェフ、黒田敦喜さんだった。金・土・日は8時30分からオープンする同店で朝食を、とフィアット 500で駆けつけたのだ。
ムラカミカイエさんはクルマ好きで、サステナブルなクルマ社会についても日々刻々思いを馳せている。欧州の拠点をベルリンに置いているからドイツ車びいきかと思いきや、リリースされた時からずっとフィアット 500を気にしていた。
「存在がユニークですよね。アイコニックなデザインはもちろん、モビリティとしての進化も遂げている。乗り込んだだけで、ワクワクするし、ポジティブで明るい気分になる。トリノ、ミラノはもとより南イタリアにも合いそうですね」
なるほど、「K5」の前にフィアット 500を停めれば、そこはあたかもモンテ・ナポレオーネ通りの一角のようだ。
1923年、第一銀行別館として竣工した歴史ある趣きの「CAVEMAN」では、ノルウェー・オスロの三ツ星レストラン「Maaemo」でスーシェフをつとめた黒田シェフの心尽くしの二皿が用意されていた。ひよこ豆のフムスの上にローストしたカリフラワー、オニオンがのったベジタリアンオープンサンドと、炭火焼きした鶏もも肉とコリアンダー、酢漬けした大根、ピーナッツ、菊の花を盛ったバインミーオープンサンドだ。このフムスは最高だね、と笑顔になるムラカミカイエさん。朝から黒田シェフとの食談義、最近見つけたおいしいアドレスの情報交換に余念がない。

外観のイメージとは異なる落ち着いた乗り味

「CAVEMAN」を出た後、ムラカミカイエさんはフィアット 500のステアリングを再び握りその鼻先を恵比寿と代官山の中間にある自らのオフィス、SIMONEに向けた。京橋ランプから首都高速都心環状線に入って、車速を上げる。
「結構、しっかり走りますね。ボディは小ぶりだし、ホイールベースも短めだからゴーカート的なイメージを抱いていましたが、意外にどっしり落ち着いています。剛性感もありますね」 
フィアット 500 ツインエア ラウンジが履く185/55R15というタイヤサイズも効いているようだ。
「このデュアロジック(Dualogic)トランスミッションも独特ですね。フィアット 500は街でよく見かけますが、ドライバーが皆これを自在に操っているというのが感慨深いなあ(笑)。慣れれば小気味良く走らせられるし、クルマに愛情を抱かせる装置としても良く出来ていますね」
彼自身がデザインしたオフィスは、少しもオフィスらしくない。そこはアトリエに近くラボでありスタジオでもある。エントランスやラウンジは、街中にひっそりたたずむハイエンドホテルのそれを思わせる。
「仕事が本当に好きで、好きで。ずっとそうなんです。自分でもたまに驚きますが、苦しいとか辞めようと思ったことは一度もありません。天職ってこういうことですね。」
三宅デザイン事務所で、キャリアをスタート。三宅一生に師事し1990年代後半にはアパレルからプロダクトデザイン、広告アートディレクション、ウェブ、パリ・ミラノコレクション演出などで腕をふるった。当然その頃からイタリアには足繁く通っている。
「ミラノに行き始めた頃は、まだ初代のフィアット 500が普通に石畳の道を走っていました。ルパン三世や映画「グランブルー」を観ても分かる通り、フィアット 500はクルマでありながらアイコン。ミラノに通いそれを実体験として知っていたから、現行モデルがデビューしてからずっと気になっていたのだと思います」

フィアット 500でお気に入りのショップを巡る

さて、ちょっと出かけますか、とムラカミカイエさんは再びフィアット 500のキーを手にした。向かったのは白金台のエシカルな複合ショップ「BIOTOP(ビオトープ)」。トップメゾンや注目ブランドが世界中からセレクトされ、ナチュラルコスメや生活雑貨などのほか、定期的にブランドのPOP-UP SHOPやアートイベントも開催している。ムラカミカイエさんは2階のメンズコレクションのチェックに余念がない。
「この上(3階)には居心地の良い店があるんですよ、行ってみます?」 
そこは「LIKE」という名の開放的な隠れ家だった。
「代々木八幡のフレンチ『PATH』の原太一シェフがオープンさせた店です。『PATH』はもう大人気でなかなか予約が取れませんが、ここはまだ来やすいのかな。多国籍感のある料理というか、スタイルに縛られずおいしいものが食べられるのがいい。休日の昼とか、わりとよく来ています」
その日彼がフィアット 500のステアリングを握り最後に向かったのはナチュラルワインを扱う「Human Nature」。アドレスは日本橋兜町で、朝食を摂った「CAVEMAN」のすぐ近所だ。白金からのルート選びのため、iPhoneを7インチタッチパネルモニターの付いたUconnectとライトニングケーブルでつないだ。
「このシステムはつながるのが早くて、レスポンスが良い。プレミアムカーでもBluetoothの接続が不安定で遅いのが結構ありますからね(笑)。充電も確実にできるし、インラインとBluetoothを併用できるこのユニットは使い勝手がいいですよ。親切で明確で、このクルマに合っている気がします」
そこは多くの金融関係者に愛された鰻の老舗「松よし」の瀟洒な木造店舗を、外観の雰囲気を残しつつリノベーションしたショップだった。オーナーの高橋心一さんは、酒屋というより思想家のような雰囲気。置かれているワインのラベルはどれも個性的で楽しそうなデザインで、ワインの権威主義的なイメージから距離を置くこの奔放さが、ナチュラルワインをナチュラルワインたらしめている。
高橋さんは中野を拠点にウェブショップを展開する傍ら、この3月にこの実店舗をオープン。セレクトの基準は「おいしいか? 好みか?」のみで、開店以来多くのファンを擁している。
「ナチュラルワインはここ数年ずっと面白く進化し続けていて、オルタナティブな造り手の一本が、メジャーを軽々凌駕することもあり得る世界。この店に並べられたボトルのラベルにもそれが出ていますよね」と、ムラカミカイエさん。その日は高橋さんのアドバイスを得て、チェコ産白の微発泡と、イタリア種の葡萄を使った南仏産の赤をセレクト。南仏で育てられたイタリア種の赤とは、今日乗ってきたフィアット 500 ツインエア ラウンジともどこか通じているような気がする。

コンパクトモビリティの良さを改めて実感

帰路、フィアット 500 ツインエア ラウンジはいかがでしたか? と聞いてみた。
「コンパクトモビリティの良さを改めて感じました。都市部に住んでいて、公共交通機関が発達していると、ついつい点から点への移動になりますよね。A駅からB駅へ電車やバスで移動すると、その間は単に景色を眺める傍観者になるしかない。クルマだと細かい方眼紙のように全てのブロックの隅々までを体感できるし都市のあり様が実感できる。自分はその感覚を何よりも大事にしていて、新しい店なんかに興味を引かれたら、すぐにクルマを駐めて見に行きたい、入りたい。このクルマは、そういう乗り方にピッタリですね」
フィアット 500 ツインエア ラウンジのオーナーになったら都内を走りまわるのでしょうか?
「今はちょっと時間が取りづらくなってお休みしていますが、毎年正月3が日明けに、京都の伏見稲荷へ初詣に行っていました。毎年一人で参拝して2、3日、京都にステイして帰るんですが、京都にもこのクルマ、いいだろうな。京都も道が狭くてややこしいところがありますし。チンクエチェントは街の景色に良いアクセントとして溶け込みそうな気がしますし」
その日彼、ムラカミカイエさんのセレクトで巡ったどの店も、既存の権威とは距離を置き自らの物差しを信じ、磨き、味や快適さを差し出していた。その間を実線で結ぶのが、パソドブレ レッドをまとったフィアット 500ツインエア ラウンジだったからこそ、移動自体もより価値のある時間になったのではないか。

Spec

Fiat 500 TwinAir Lounge|フィアット チンクエチェント ツインエア ラウンジ

  • ボディサイズ|全長3,570×全幅1,625×全高1,515mm
  • ホイールベース|2,300mm
  • トレッド前/後|1,415/1,410mm
  • 車両重量|1,040kg
  • エンジン|875cc直列2気筒ターボ
  • 最高出力|63kW(85ps)/5,500rpm
  • 最大トルク|145Nm(14.8kgm)/1,900rpm
  • トランスミッション|ATモード付き5速シーケンシャル(デュアロジック)
  • 駆動方式|FF
  • サスペンション前|マクファーソンストラット(スタビライザー付)
  • サスペンション後|トーションビーム(スタビライザー付)
  • ブレーキ前|ディスク
ブレーキ後|ドラム
  • タイヤ|185/55R15
  • 燃料消費率(国土交通省審査値)|24m/ℓ
  • CO2排出量(JOC08燃費換算値)|97g/km
  • 乗車定員|4人
  • 全国メーカー希望小売価格(消費税込)|276万円 
問い合わせ先

CIAO FIAT
Tel.0120-404-053
http://www.fiat-auto.co.jp

K5
ブティックホテル「HOTEL K5」やレストラン「CAVEMAN」、バー「Ao」などからなる複合施設。元第一銀行別館をリノベーションした建物自体も魅力。
https://k5-tokyo.com/
Human Nature
東京都中央区日本橋兜町9-5
Te.03-6434-0353
https://humannature.jp
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