STRASBURGO|大人の“こなし”を実現するために|ストラスブルゴ「エレガンスの流儀」
アンタイドで崩さず色で崩す
仮に「コットンスーツで遊び心のある着こなしを」というお題が与えられたなら、アンタイド、すなわちネクタイなしのコーディネートがまず頭に浮かぶ。むろんそのアプローチも悪くないが、この洗練されたラルディーニのスーツには、ご覧のようなタイドアップがふさわしい。遊び心は素材と色で表現――すなわち春夏ならではのリネンのシャツやネクタイを用い、ブルー、オレンジ、グリーンなどの明るい色でVゾーンを構成する。これが大人の“こなし”というものである。
スーツ11万2350円(ラルディーニ)、シャツ6万8250円(フライ)、ネクタイ2万5200円、ポケットチーフ1万3230円(ともにキートン)、ベルト1万1550円(ダミコ/以上すべてストラスブルゴ)
多色遣いのVゾーン
シャツはロンドンストライプのセミワイドスプレッドカラー、ネクタイはリネンのストライプ。ブルーとオレンジが実に鮮やかな組み合わせである。このような場合、ポケットチーフはリネンの白を合わせるのが春夏の王道。が、今回はあえてのシルク素材で、シャツやネクタイの色と関係のないイエロー×グリーンというポケットチーフを選んだ。遊び心に溢れる胸元である。
スーツ11万2350円(ラルディーニ)、シャツ6万8250円(フライ)、ネクタイ2万5200円、ポケットチーフ1万3230円(ともにキートン/以上すべてストラスブルゴ)
活用度の高いネイビーもぜひ
控えめな光沢がエレガントなネイビーのコットンスーツは、ビジネスシーンにも十分対応してくれる。上着は段返り3ボタンのサイドベンツ、組下はノータックですっきりとしたシルエット。細身のベルトや、ここ数シーズントレンドとなっているドキュメントケースなどは、スーツの着こなしをアップデイトしてくれる小物といえる。
スーツ11万2350円、ポケットチーフ7350円(ともにラルディーニ)、ベルト1万500円(ダミコ/以上すべてストラスブルゴ)
ナイロンアウターを上品に着るために
ナイロンのコートやフィールドジャケットは春先に重宝するアウターのひとつ。そしてウールパンツともデニムともチノーズとも相性がいい。合わせるボトムスを選ばないだけに、ボトムス次第で印象が変わってくる点が面白い。季節感と清潔感を備えた着こなしを狙うなら、ぜひ白のコットンパンツを。そして少々細かい話になるが、合わせるインナーのファブリックはできれば柔らかいほうがいい。上質な薄手のセーターなどがお薦め。薄手のナイロン地はインナーのシワや縫い代を拾ってしまうからだ。
コート7万3500円(ヘルノ)、セーター3万1500円(アイモ リッチリー)、パンツ2万3100円(ウーゼス)、ベルト1万4700円(ラルディーニ)、バック7万8750円(シセイ)、靴5万5650円(チャーチ/以上すべてストラスブルゴ)
軽快かつ柔らかい足元
春夏らしい白のコットンパンツをさらに軽快に仕上げるテクニックがロールアップである。細めの幅で、折り返し部分が厚くなり過ぎないようご注意を。靴はスリッポンやモカシンでもOKだが、このチャーチのフルブローグはアッパーにディアスキンを採用。見た目も履き心地も実にソフトである。
パンツ2万3100円(ウーゼス)、バック7万8750円(シセイ)、靴5万5650円(チャーチ/以上すべてストラスブルゴ)
よりスポーティなショート丈
M-65のようなミリタリージャケットタイプ、あるいはライダーズジャケットのようなデザインを選べば、よりスポーティな印象に。ストールはある程度のボリューム感が出せる大判のタイプを選ぶと、着こなしにメリハリが生まれるはず。
ブルゾン8万5050円(ヘルノ)、スカーフ1万5750円(フランコ フェラーリ/以上ともにストラスブルゴ)
カジュアルジャケットの“コツ”
コットン×リネンのカジュアルなジャケットは、この時期存分に活用したいアイテムといえよう。そんなジャケットを用いた、オフのコーディネートのコツをいくつか。ひとつ、インナーはシャツではなく、上質なカットソーを。ひとつ、遊び心のあるニット類、とくに薄手のカーディガンを合わせると今っぽい雰囲気に。そして、ボトムスはパステルカラーのコットンパンツで明るさを演出する。ビジネス服とは異なるアプローチで選んだアイテムにトライしてほしい。
ジャケット11万5500円(ストラスブルゴ)、カーディガン3万5700円(アイモ リッチリー)、カットソー1万9950円(クルチアーニ)、パンツ3万4650円(PT01)、ポケットチーフ5250円(シモノ ゴダール)、ウォレットチェーン1万9950円(ダミコ/以上すべてストラスブルゴ)
遊び心の仕上げはウォレットチェーン
オフのジャケット着こなし、仕上げはレザー&シルバーのウォレットチェーン。ちょっとした遊び心を表現するとともに、ある種のストリートな雰囲気も醸し出してくれる。ゴツすぎない、やや細身のタイプを選ぶと洗練度が増す。
カーディガン3万5700円(アイモ リッチリー)、カットソー1万9950円(クルチアーニ)、パンツ3万4650円(PT01)、ウォレットチェーン1万9950円(ダミコ/以上すべてストラスブルゴ)
ブルー、ネイビー系統が使いやすい
カジュアルに着こなすためのジャケットとはいえ、色味はベーシックなもののほうが使いやすい。すなわち、ネイビーやブラウンである。左のブルーのチェック柄ジャケットはコットン100%。3ボタンサイドベンツで、オーソドックスな仕様である。右はシルク70%×コットン30%で、適度な光沢と生地の凹凸が独特の表情を生んでいる。ボトムスはデニム、チノーズはもちろん、夏が近づけばショーツなどを合わせても面白い。
チェック柄ジャケット7万9800円、ネイビージャケット9万7650円(ともにストラスブルゴ)、ポケットチーフ左から4200円(ムンガイ)、6300円(ラルディーニ/以上すべてストラスブルゴ)
シャツジャケットの効能
アンコンジャケットよりも、ニットジャケットよりも、さらに着こなしをカジュアルに仕上げてくれるのが「シャツジャケット」だ。このラルディーニのジャケットは麻100%で、体裁としてラペルを備えているものの、カフや背ヨークのデザインは限りなくシャツに近く、全体の印象はきわめて軽快。エレガントかつ涼やかな着こなしのために、こんなシャツジャケットをぜひ活用してほしい。ボトムスは鮮やかな色をセレクトし、ロールアップで。足元まで夏を意識したコーディネートが完成する。
ジャケット3万7800円(ラルディーニ)、カットソー1万3650円(フィリアム)、パンツ3万3600円(PT01)、ストール1万5750円(フランコ フェラーリ)、ベルト9450円(ダミコ)、靴5万5650円(チャーチ/以上すべてストラスブルゴ)
夏を感じさせる小物遣い
デリケートな生地のシャツジャケットなので、レイヤードするアイテムの質感にも気を配りたい。すなわち、インナーに合わせるシャツやカットソーも、上質かつ薄手のものがいいだろう。そして薄い生地同士の重ね着の物足りなさを解消してくれるのが、ご覧のような大判のストール。マドラスチェックに代表される涼しげな色、柄が気分だ。
ジャケット3万7800円(ラルディーニ)、カットソー1万3650円(フィリアム)、ストール1万5750円(フランコ フェラーリ/以上すべてストラスブルゴ)
もちろんシャツだけでも!
6月のピッティ・ウォモなどに集まった男たちを見て感心するのは、シャツ一枚の着こなしの巧さである。袖のまくり方、襟の立て方、タックインした際のベルトの選び方などのテクニックによって、シャツ一枚で十分サマになることを証明してくれる。春夏の主役アイテムともいえるシャツ、上質かつシンプルなデザインのものを揃えておきたい。
シャツ左から各2万2050円、2万7300円(すべてラルディーニ/ストラスブルゴ)
裾丈にトレンドあり
ショートパンツを選ぶときに留意すべきは、シルエットと裾丈である。ルーズなものは避け、細身のパンツのようなすっきりとしたシルエットのものを。そして今シーズンはヒザ上5~7センチくらいの「やや短め」丈が気分だ。色や柄に注意することはもちろんだが、エレガントか否かを分けるのはこの2点にあると言っていい。裾出しかタックインかは合わせるトップスにもよるが、ご覧のようなドレスシャツであれば、やはりタックインが上品だ。
セーター2万4150円(ダダ)、シャツ2万4150円(バルバ)、ショートパンツ2万3100円(シビリア)、ベルト1万1550円(ダミコ)、ブレスレット各1575円(クルチアーニ C/以上すべてストラスブルゴ)
手元にアクセントを
春夏は手首の露出する機会も多くなり、必然的に手元にアクセントが欲しくなってくる。ブレスレットやバングルなどが活躍する季節というわけだ。素材は金属、石、レザーなどさまざまであるが、今季最も上品なものはご覧の「レース」である。他のアクセサリーとの重ね付けもよし、単品でもよし。カジュアルにはもちろん、スーツスタイルの“ハズシ”としても効力を発揮。大人の、上品かつこなれた着こなしを完成させるための、究極のブレスレットである。
セーター2万4150円(ダダ)、シャツ2万4150円(バルバ)、ショートパンツ2万3100円(シビリア)、ベルト1万1550円(ダミコ)、ブレスレット各1575円(クルチアーニ C/以上すべてストラスブルゴ)
ベルト、靴選びもまた楽し
ショートパンツはコットン、デニム、リネンなど、さまざまな生地のバリエーションがあるので、お好みでセレクトを。夏らしさを表現するポイントは、実はベルトと靴にある。ベルトはレザーや麻の編み込みタイプが、そして靴はスリッポンが気分。つまりショートパンツはカジュアルなアイテムであるが、スタイリングのコツはドレスクロージングと同様なのである。
ショートパンツ左から2万5200円、2万3100円(ともにシビリア)、ベルト左から1万5750円、1万1550円(ともにダミコ)、タッセルスリッポン13万1250円(エドワード グリーン/以上すべてストラスブルゴ)