ピッティ・ウォモの伊達男29人! ネクタイありか、ネクタイなしか?|タイドアップ編
セレクトショップ「フラージ」オーナー
芸術的なカラーリング
ピッティでのスナップにおける常連の一人、シモーネ・リーギ氏。油絵を趣味とする彼の優れた色彩感覚が如実に現れた着こなしといえよう。コート、スーツがブラウンで、ネクタイ、マフラー、ソックス、そしてコートの裏地がブルー。茶と青の2色をテーマに、大胆かつ繊細なバランスで構築した、一枚の絵画のようなコーディネート。スーツの上着の袖丈や組下の裾丈、Vゾーンの見える面積など、すべてが計算されている。完璧という言葉がふさわしい、フィレンツェが誇る伊達男のタイドアップ・スタイルである。
" title="02_665_01_A" data-src="/galleries/images/000/115/312/medium/b5940312-dc44-4b96-aef7-db37a0cd63ae.jpg">カントリーテイストも漂わせるチェック柄のスーツの足元は、やはり無骨なフルブローグ、すなわちウィングチップがベストマッチであろう。チャーチの「ライダー」といったスエードのチャッカブーツを合わせても悪くないだろうが、ソックスを見せるなら短靴の選択となる。となればやはり、この靴が正解だろう。見事な色味と味わいである。
" title="03_665_01_B" data-src="/galleries/images/000/115/313/medium/6b345c75-5b6e-4b0a-9d25-05901edfe3da.jpg">「イレブンティ」オーナー
チェスターフィールドにして軽快
2007年にファーストコレクションを発表した若いブランドながら、イタリア国内で、そして日本でも高い人気を誇るブランド、イレブンティ。そのオーナーであるバルダッサーリ氏の着こなしがこれだ。ヘリンボーン織りのチェスターフィールドコートは着丈が短め。パンツは上着とセットアップではなく、明るい色のスリムなパンツをセレクト。クラシックにして現代的な雰囲気を漂わせているのは、ひとつひとつのアイテムに「ちょっとしたモダニティ」が備わっているからなのである。もちろん、服はすべてイレブンティのもの。
" title="04_665_02_A" data-src="/galleries/images/000/115/314/medium/d9d6a435-5e83-4d46-88c9-c9bc26522121.jpg">チェスターフィールドコート、グレーフランネルのダブルブレステッドジャケットという、ドレスクロージングの王道を行くアイテムでトップスを構成。やはりスタンダードなシルクのネクタイでVゾーンを完成させたくなるところだが、あえてカジュアルなニットタイを持ってくる。これぞ粋な合わせというもの。
" title="05_665_02_B" data-src="/galleries/images/000/115/315/medium/f1b6c113-034f-4f54-ab60-6a553983c887.jpg">服のコーディネートに遊びを感じさせる分、靴や鞄などの小物はシンプルにしておくのがスマートだ。黒の、革のブリーフケースは必ず持っておくべき。オケージョンを問わずに使える、基本にして活用度の高いアイテムなのである。
" title="06_665_02_C" data-src="/galleries/images/000/115/316/medium/6d6c9f76-3d9f-4584-b2b4-e709ecc579e5.jpg">メンズのオックスフォードシューズ、すなわち短靴のなかで、最も汎用性が高いのがプレーントウやウィングチップであろう。スーツ、ジャケットスタイル、そしてカジュアルまで。あらゆるシーンに嫌味なく合わせることができる。ワードローブに必ず備えておくべき靴だ。
" title="07_665_02_D" data-src="/galleries/images/000/115/317/medium/dacb16c4-b58d-44f3-a166-cebcba285a11.jpg">「GOOD GENES」セールス
男はネイビーさえあればいい
コート、シャツ、ジーンズ、ネクタイ……ネイビーとブルーで構成した、スマートな印象のコーディネートだ。コートはスリムなシルエットで、胸ポケット、腰ポケットの玉縁部分にレザーを施したモダンな仕様。ややスキニーなジーンズとの相性もいい。彼のスタイリッシュな髪型、眼鏡、ヒゲも、この着こなしに男らしさを与えていることを申し添えておこう。
" title="08_665_03_A" data-src="/galleries/images/000/115/318/medium/03190654-ce04-4b6c-ab6a-7de0c386dfa5.jpg">足元はシンプルな黒のブーツを合わせている。もちろん茶も合うが、黒の小物を合わせるとより精悍なイメージが増す。ジーンズは軽快にロールアップ。ブーツの丈に配慮が必要だが、ジーンズをブーツイン、という手もある。
" title="09_665_03_B" data-src="/galleries/images/000/115/319/medium/b8328dc4-caeb-426e-929e-87163a434893.jpg">「アル・バザール」オーナー
貫禄のタイドアップ
ピッティの名物男、ショップ「アル・バザール」のオーナーである“リーノさん”の着こなしを外すわけにはいかないだろう。ダブルのチェスターフィールドコートにダブルのジャケット、タッターソールのシャツに、シンプルなネイビーのネクタイ。上品にして雄弁な、貫禄のVゾーンである。一見派手に感じるが、コーディネートに使用している色は茶とブルーのみ。つまり色数を抑えているのでクドくない。さすがである。
" title="10_665_04_A" data-src="/galleries/images/000/115/320/medium/81f2abdb-fdf4-4f05-a677-49ae26b37a43.jpg">チェック柄のチェスターフィールドコート、水色のジャケットは茶のウィンドウペーン、タッターソールのシャツ。チェック・オン・チェックに、もう一つチェックを重ねた上級者のVゾーンといえる。成功の秘訣は、チェック柄の大きさにメリハリをつけること。つまりコートが中、ジャケットが大、シャツが小、となっている。ぜひ参考にしていただきたい。
" title="11_665_04_B" data-src="/galleries/images/000/115/321/medium/b941fc84-1324-4f87-b602-7e3519820cc1.jpg">クラシックなイメージのあるコンビのシューズ。黒×白、茶×白といった組み合わせが多いこの靴、ともすると「コスプレ的」な着こなしになってしまう危険性をはらんでいる。写真の靴のようなベージュ×茶や、黒×グレーのような組み合わせであれば、こなれた雰囲気に仕上がるはずだ。
" title="12_665_04_C" data-src="/galleries/images/000/115/322/medium/3856acbf-1c9d-4b20-9978-7e5fb3de0c81.jpg">擦り減ってしまうアウトソールに見事な意匠が施されていた。こうした見えない部分、凝らなくてもいい部分にあえて凝る粋は、洋の東西を問わないもの。
" title="13_665_04_D" data-src="/galleries/images/000/115/323/medium/62eef4cd-4a68-407e-8592-9ed5edab09e2.jpg">「ブルネロ・クチネリ」プロダクト担当
デニムシャツもタイドアップで
ライダーズ的デザインの中綿入りベストにジャケットというユニークなレイヤードだが、サイジングと2ウェイジップの開き方が絶妙で、バランスのとれたコーディネートになっている。そしてイタリア人好みのデニムシャツを使ったタイドアップ。カジュアルだが細部まで神経が行き届いている。ボトムスはロールアップして味わいをプラス。あるいは短め丈に裾上げしても、シャープな印象で着こなせるはずだ。
" title="14_665_05_A" data-src="/galleries/images/000/115/324/medium/90ff5136-5db2-45dc-84c6-bfdd120b9df7.jpg">中綿入りベストから覗くVゾーン面積は比較的小さめ。合わせるデニムシャツの襟も小さめで、ネクタイのノット(結び目)もやはり意図的にコンパクトにしている。こうした配慮がバランスのいい、かつアクセントのある胸元を生むのだ。 " title="15_665_05_B" data-src="/galleries/images/000/115/325/medium/5512fab2-a3e7-4129-9aeb-1f9ae0b7a61e.jpg">
シボ革のアッパー、外羽根、張り出したコバという仕様で、カジュアルな雰囲気を漂わせているキャップトウ。ジーンズとも相性がよさそうだ。
" title="16_665_05_C" data-src="/galleries/images/000/115/326/medium/54439f78-3f57-489e-a2e8-f72cd43afd4e.jpg">「ブルネロ・クチネリ」セールス担当
ニットを使ったVゾーン
シャツの上、ジャケットの下にニット(Vネックセーターなど)を使った着こなしをイタリア人は好むが、きわめて現代的なバリエーションがこれ。立ち襟のカーディガンをインナーに用い、立体的な胸元を構築している。コート、ジャケット、カーディガン、シャツの重ね着も、柄を抑えてスッキリと仕上げているのが見事だ。
" title="17_665_06_A" data-src="/galleries/images/000/115/327/medium/82519881-ae00-468b-8731-71f5d32c55b9.jpg">ボタンダウンのドレスシャツもまた、イタリア人が好むアイテム。そしてボタンを外すのも常套手段である。両方外す、片方外す、外した襟先を跳ねさせる……など、ちょっとした遊び心を表現できるテクニックのひとつ。
" title="18_665_06_B" data-src="/galleries/images/000/115/328/medium/e79aac5c-88b6-4320-8547-836893e787a0.jpg">トップスの柔らかい質感と色味に合わせて、足元はスエードのウィングチップを合わせている。靴は基本的に、黒よりも茶が、表革よりスエードがカジュアルである、と覚えておくといい。リラックスした雰囲気を醸し出したいのであれば、やはりスエードなのである。
" title="19_665_06_C" data-src="/galleries/images/000/115/329/medium/5fb7b201-567e-479e-b9d7-953ff537ef27.jpg">「SMITH WYKES」デザイナー
アイビーの現代的解釈
1970年代、マウンテンパーカなどのアウトドアアイテムを使ったアイビースタイル、いわゆる「ヘビーデューティー・アイビー」の流行があったが、その現代版と解釈してもよさそうな着こなし。ツイード地とナイロン地の切り替えのマウンテンパーカ、ニットキャップ、ボタンダウンシャツ、ジーンズ。それぞれのアイテムがアップデートされているので、今っぽく見えるというわけだ。
" title="20_665_07_A" data-src="/galleries/images/000/115/330/medium/d80d120d-e57c-403d-a048-30d6f9e76b59.jpg">メタルボタンのネイビーブレザーを合わせれば、オーソドックスなアイビー着こなしであるが、カーキの、2ボタンダブルのジャケットを合わせたことで個性あるタイドアップに。マウンテンパーカ、ジャケットともにショート丈である、という点も軽快な印象を与える要因。
" title="21_665_07_B" data-src="/galleries/images/000/115/331/medium/54d067db-a4dd-47a1-8531-847aaa426d30.jpg">メンズの靴のとして全世界的にトレンドとなっているのがフルブローグ、すなわちウィングチップである。アッパーはネイビーのヌバック、ホワイトソールというカジュアルな仕様。
" title="22_665_07_C" data-src="/galleries/images/000/115/332/medium/f08f6874-4fc5-4ac0-8414-f19cb7091018.jpg">「KAISER」スタッフ
ダウンベストでタイドアップ
ダウンベスト×ジャケットという組み合わせも、イタリア男の着こなしによってメジャーになったレイヤードではなかろうか。トップスにボリュームがある分、ボトムスは細身のものがバランス良し。この軍パンも実にスリムなシルエット。インナーのツイードジャケットがアルマーニという点が彼の個性だろう。エレガントな雰囲気を漂わせることに成功している。
" title="23_665_08_A" data-src="/galleries/images/000/115/333/medium/b7a5ee01-8cb9-48a4-a763-cdff104a0220.jpg">ブルーとグレーで構成した清潔感のあるVゾーン。無地のジャケット、無地のカーディガン、無地のネクタイに、青のギンガムチェックがよく映える。やはりネイビー、グレーはメンズのコーディネートにおける基本の色。好感度の高さを感じさせる配色といえる。
" title="24_665_08_B" data-src="/galleries/images/000/115/334/medium/5493040b-4903-4e08-bfe0-33bcf5bada4e.jpg">カジュアルシューズの定番アイテムとして必携なのがスエードのチャッカブーツであろう。黒、ダークブラウン、ブラウンなどさまざまな色味があるが、合わせやすいのがこのサンドベージュという色。カーキのチノパンツ、オリーブグリーンの軍パン、洗いざらしのジーンズなど、あらゆるボトムスとマッチする。
" title="25_665_08_C" data-src="/galleries/images/000/115/335/medium/e9889613-8b1d-48cf-b4fe-ee9fb3513097.jpg">広告代理店
モードな空気感のあるタイドアップ
ツイードジャケットのラペル幅は狭く、クルーネックセーターの裾はカットオフ。ブルーのシャツは襟が小さく、無地のネクタイは細身……つまり、ひとつひとつのアイテムが少しずつモードな仕様なので、クラシックとは違う方向性のタイドアップ・スタイルとなっているのだ。膝下がタイトなボトムスも、ジョッパーズのような雰囲気を醸し出しており、この着こなしによく合っている。
" title="26_665_09_A" data-src="/galleries/images/000/115/336/medium/e4d5cb75-86df-494a-9a99-b8bdf467857e.jpg">1970年代のルードボーイのようなハットの被り方がおもしろい。3ボタン上2つ掛けで、ある意味モッズ的に、タイトに着こなした彼のスタイルにマッチした被り方ともいえる。
" title="27_665_09_B" data-src="/galleries/images/000/115/337/medium/94165885-4344-4318-88d2-6880a9a212a3.jpg">小脇に抱えるドキュメントケース、というのはここ数シーズンのバッグのトレンド。シンプルでやや大きめのものが使い勝手がいい。
" title="28_665_09_C" data-src="/galleries/images/000/115/338/medium/d3260c3b-a24c-4982-b0bd-fb7f6eb55fbd.jpg">固くツヤのある表革のドレスシューズはこのコーディネートに似つかわしくない。やはり多少ヨレ感のある、モードなテイストの革靴が気分だろう。
" title="29_665_09_D" data-src="/galleries/images/000/115/339/medium/0d50657a-c9bb-42ef-8a2f-1e53cb2a6b7f.jpg">「ブルネロ・クチネリ」スタイリスト
卓越したボリューム感の表現
アウターのN-3B、大きなレザーのトートバッグ、ラフに掛けたマフラーと、ボリューム感のあるアイテムを絶妙に組み合わせたコーディネート。そしてこのカジュアルなアイテムを、タイドアップしたスーツスタイルに取り入れている点が実に上級なのである。ネイビーのストライプスーツ、ブルーのシャツ、(見えにくいが)ネイビーのネクタイが隠れている。
" title="30_665_10_A" data-src="/galleries/images/000/115/340/medium/1215b956-56fc-4bd2-9c47-d892947e4cc8.jpg">手持ちのドキュメントケースやコンパクトなトートバッグがここ数シーズンのバッグトレンド。そんななか、久しぶりに目にした感のあるオールレザーのトートバッグはかなり新鮮だ。サイズも大きく存在感があり、着こなしのアクセントとしても一役買っている。
" title="31_665_10_B" data-src="/galleries/images/000/115/341/medium/062066f8-58d7-4034-94a7-10e0125d8563.jpg">シューズ、トートバッグ、そしてグローブと、やや明るめの茶色で統一。例えばダークブラウンとベージュというように、トーンが違いすぎるとちぐはぐな印象になる場合がある。一概にはいえないが、革小物の色味はある程度合わせておいた方がベターだ。
" title="32_665_10_C" data-src="/galleries/images/000/115/342/medium/6c420f87-a0e6-4a51-a332-42f5e5da0f45.jpg">広告代理店
コンサバティブなVゾーン
ネイビージャケットにブルーのシャツ、緑のシルクタイ。オーソドックスにして美しい色合わせのVゾーン。ミリタリーのN-3B、股上浅めでスリムなシルエットのチノーズを組み合わせたことで、カジュアル&モダンなテイストに。シンプルなようでいて実は手練のコーディネート、なのである。
" title="33_665_11_A" data-src="/galleries/images/000/115/343/medium/1fe69129-1301-4a29-b153-606fa784f309.jpg">フィッシングバッグやトートバッグを合わせても悪くないが、少々モードな雰囲気を併せ持つショルダーバッグをセレクトしたことで、控えめな個性が発揮されている。
" title="34_665_11_B" data-src="/galleries/images/000/115/344/medium/8210cf0a-bb3a-4a71-847b-9d9ffa0fe41c.jpg">表革の黒のプレーントウこそ、現代におけるメンズシューズの基本かもしれない。スーツによし、チノパンやデニムに合わせてまたよし……多少コバの張り出した、無骨な男らしいテイストのものが気分だ。
" title="35_665_11_C" data-src="/galleries/images/000/115/345/medium/504c999b-9fef-48dc-955a-3e4ad85d2c77.jpg">「ウォーリーウォーカー」ゼネラルディレクター
オレンジのウールタイが効いている
ショート丈のモッズパーカに茶のジャケット、ベージュのパンツ。比較的おとなしい色めの中に、オレンジのウールタイが映えるコーディネート。ラフに見えてジャケットのタイドアップ、というのが、ピッティにおける定番ドレスコードのひとつ。
" title="36_665_12_A" data-src="/galleries/images/000/115/346/medium/9f259ec8-dd8a-4124-85ff-f1160d244bd9.jpg">会期中はあちこち歩き回らねばならないピッティにおいて、使いやすさを考えればバッグはトートに軍配が上がる。こちらは自身のブランドのもの。肩掛けも手持ちも対応するハンドルの長さ……使い勝手のいいトートバッグとお見受けする。
" title="37_665_12_B" data-src="/galleries/images/000/115/347/medium/c6cb1a9f-7b91-48ac-ac34-69f4667d2ef4.jpg">クレープソールとステッチの感じからクラークスのチャッカブーツと推測。クラークスといえばスエードのアッパーがやはり主流だが、表革を選んだところがこの方のセンス。かなり履き込んでいるが、きちんと手入れされている。こういうシューズこそ美しいといえるのではないか。
" title="38_665_12_C" data-src="/galleries/images/000/115/348/medium/45177702-34d6-4d3e-aeb2-88e043cecea4.jpg">「カイザー」スタッフ
取り入れやすいタイドアップ
ビジネスとカジュアルの中間、いわゆる“ビジカジ”スタイルにすぐに活用できそうなコーディネートである。ネイビーのショート丈コート、ニットベストにチェックシャツ。ボトムスはウォッシュのかかったコットンパンツ。色数も抑えてあり、嫌味のない着こなしだ。
" title="39_665_13_A" data-src="/galleries/images/000/115/349/medium/f9e59303-3d7d-4663-b920-f278c8ec5e4a.jpg">本物か型押しかは不明だが、クロコダイルのブリーフケースを合わせている。シンプルなコーディネートだけに、今っぽい小物を合わせると着こなしにメリハリがついてくる。
" title="40_665_13_B" data-src="/galleries/images/000/115/350/medium/c7d46074-6d66-4fde-a979-c4d6a6ff5cba.jpg">革靴のなかではややカジュアルとされているUチップだが、昨今の“ビジカジ”スタイルの足元にはもってこいのシューズなのである。スーツにはもちろん、コットンパンツとの相性もよし。黒をセレクトしても、かなりカジュアルな着こなしまで対応してくれるはずだ。
" title="41_665_13_C" data-src="/galleries/images/000/115/351/medium/e73153a6-96b2-4b63-8aab-2689086ef1a6.jpg">ショップオーナー
ボウタイを使ったファニーな胸元
ウエストを絞ったコートのライン、短くたくし上げたパンツなど、全体的なシルエットに特徴のある、カジュアルなコーディネート。マフラー、ボウタイ、シューレースの赤をポイントにしたカラーリングもなかなかユニークだ。
" title="45_665_15_A" data-src="/galleries/images/000/115/352/medium/4837a7f3-c930-4b11-845d-32e0b0fc75cc.jpg">よく見るとナイロン素材で、中綿入りのボウタイである。実にユニークなアイテムをセレクト。なかなかお見受けすることのないタイドアップだが、決して嫌味に見えないのは、彼のキャラクターのなせる業だ。
" title="46_665_15_B" data-src="/galleries/images/000/115/353/medium/aad3d88a-579d-459c-b2e0-fdf47806c32d.jpg">これも珍しいバッグ。ネップツイードのような、さまざまな色の糸が織重ねられた生地を使用している。かなりの大型で、オーバーナイターとして使用するのもいいかもしれない。残念ながらメーカー名は不明。
" title="47_665_15_C" data-src="/galleries/images/000/115/354/medium/62321311-d9ee-4902-a4c0-f0f8cf3633fc.jpg">ス・ミズーラ(誂え)だというチャッカブーツは独特のアッパーの色味が魅力。太めの赤いシューレースがインパクトのある一足。カジュアルシューズをオーダーメイドしてしまうあたり、かなりのこだわり派であろう。
" title="48_665_15_D" data-src="/galleries/images/000/115/355/medium/4a1b45fb-fe56-426c-b76b-532e6ede5ec1.jpg">「セッテフィーリ」「PM」オーナー
こう見えてネクタイあり
オレンジのチェスターフィールドコート、ミックス織りのジャケット、そしてパッチワークのストール……ここまでやるならネクタイを締めなくてもよさそうなものだが、なんとマルチボーダーのニットタイを着用。ウエストのあたりからチラリと覗いているのを確認されたし。上半身のレイヤードはカラフルきわまるが、ボトムスや靴はシンプルにまとめている。このメリハリが着こなしのテーマになっているのだろう。
" title="49_665_16_A" data-src="/galleries/images/000/115/356/medium/e5262489-6bd2-4388-833f-075ef3905837.jpg">コートのオレンジ、ベストのブルー、マルチカラーのストール&ネクタイ。この色彩感覚も見事だが、見習うべきは胸元の“面積の配分”であろう。つまり派手なVゾーンを作ったとしても、その面積がある程度コンパクトなものならば、それほど嫌味にはならないということだ。
" title="50_665_16_B" data-src="/galleries/images/000/115/357/medium/e26e5eb7-bfe1-4e9d-ba14-fe2e4fe3e5ca.jpg">クロコダイル、リザード、パイソンといったエキゾチックレザーは、着こなしにインパクトを与えてくれる反面、使い方に多少の習熟を要する素材といえる。靴でも鞄でもベルトでもいいのだが、基本は1点使い。そして黒やダークブラウンといったベーシックなカラーをセレクトすると、エレガントにまとまりやすい。
" title="51_665_16_C" data-src="/galleries/images/000/115/358/medium/8f33667e-029d-43fc-b5b2-a18663ca8b6b.jpg">黒、ブラウン、ワインという3色のアッパーを組み合わせたウィングチップ。たしかに個性満点ではあるが、前出のリーノさんと同様、コンビの色同士のトーンが近ければ、それほど突飛な印象にはならないはず。メーカーは不明。オーダーメイドの可能性が高そうだ。
" title="52_665_16_D" data-src="/galleries/images/000/115/359/medium/f404de09-f6de-4bf6-990b-76994a70fa1b.jpg">「ヴィコント A」オーナー
カントリーテイストのタイドアップ
フランスのトータルウェアブランド、「ヴィコント A」のオーナーを捕捉。グレンチェックのクラシックなライダーズジャケットに洗いざらしのジーンズという気取らないカジュアルの胸元は、ノットだけがチラリと覗くコンパクトなタイドアップ。シャンブレーシャツ、クルーネックニット、ウールタイの組み合わせは王道のアイビースタイルを彷彿させるが、高番手のシックなセーターという点がフレンチテイスト。そう、アイビー好きはついシェットランドウールのセーターを合わせたくなるのだ。
" title="53_665_17_A" data-src="/galleries/images/000/115/360/medium/100c12f1-87db-496d-bf9f-2cb73c9189e6.jpg">ジーンズにデザートブーツという相性抜群の組み合わせ。ビビッドな色のソックスで遊び心を表現している。
" title="54_665_17_B" data-src="/galleries/images/000/115/361/medium/cf506954-fe48-44b8-9a9d-dbca59992d19.jpg">「ワンダーランド」マーケティング
あえての“くたびれた”雰囲気?
ちょっと疲れたサラリーマンのように見えるが、実はかなりの服好きとみた。モスグリーンのウールメルトンとおぼしきフィールドジャケット、このアウターをセレクトする時点でなかなかの審美眼である。シンプルなライトブルーのシャツに、パープルベースの小紋タイが実によく映える。ボトムスはグレーのウールパンツのように見えて、実はカラージーンズ。なかなかのクセ者とみた!
" title="55_665_18_A" data-src="/galleries/images/000/115/362/medium/bd3396e2-94ef-4754-aeaf-1eb0e7a7d584.jpg">ピッティ・ウォモでは、年季の入った、味わいある革小物を使用している洒落者たちをよく見かける。このショルダーバッグも擦れ、表面が剥げているが、何とも言えない捨てがたい雰囲気を醸し出している。
" title="56_665_18_B" data-src="/galleries/images/000/115/363/medium/b923c46b-d25f-47ce-96bb-826469a38fbb.jpg">この靴選びもまた、この方の個性である。ストレートチップ(キャップトウ)をセレクトする場合、たいていは黒だ。もし茶としても濃いものだろう。というのもビジネスシューズとして最もドレッシーな型とされているので、通常は表革を選ぶのである。それをあえてのスエード素材というチョイス。やはりひとクセある人物である。 " title="57_665_18_C" data-src="/galleries/images/000/115/364/medium/3d1f9722-3d02-49ec-b45e-bb33100ee147.jpg">